青春さいこー?

□1話
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時は来て、春。
またこの季節が来た。

ここ、聖灰色学園にも慣れ、高校二年生を迎える事になりました。



「さてっと、私のクラスは―」



校門前のクラス発表の掲示板を見て、新しいクラスへと入る少女。


「席はここか〜・・・」
「あっ、詩歌!同じクラスなのね!」
「リナリー!よかったぁ〜知ってる人いたぁ!!」

自分の席を探して座ろうとした私の耳に透き通る可憐な声が届いた。
振り返ると黒髪のツインテールをした可愛らしい私の親友の姿が見え、嬉しさのあまり抱きついた。

「も、もう・・・詩歌ったら」
「えへへ、だって・・・」
「退け。」

いきなり抱きついた私に苦笑するリナリーに私は笑いながら話しかけていた。
そんなほのぼのとしたやり取りから突如低い冷たい声が聞こえてきて、
私は思わず声のする方向を向く。

「はぁ・・・退け。」
「・・・・は?」
「神田、そんな言い方ないじゃない。」

振り向いた先にはポニーテールした長身の男の姿。
その男は溜め息をつきながらもう一度、はっきり聞こえるように言ってきた。
私はその言葉にただ固まってみていた。
隣からはあきれたような声でリナリーが神田と言う男に注意していた。

「邪魔だ。」
「もう・・・神田ったら。」
(性格わるっ。)

神田は言い方を変えてはいるが、結局は同じような意味で短くただ簡潔に言い、
私の隣の席に座っていた。リナリーは手を頭に当てて溜め息をついた。
私はというと、その低い声で言い方が悪い相手を睨みイライラとさせていた。

「・・・?」

クラスの視線がこっちの方にある事が分かったので、回りを見渡してみた。
そうすると女子の視線がかんだという男の方に刺さっていた。
「え、リナリー。これってモテる人?つあ、モテてる感じの人?」
「そうねぇ・・・神田はモテるわよ?」
「へぇ・・・これがねぇ。」
(まぁ・・・顔は整ってるけどねぇ。)

まさかと思った私は、隣にいる男を指差し、リナリーに恐る恐る聞いてみた。
彼女は右手を頬に当てながら私の求めた問いに答えてくれた。
が、返ってきた答えがやはり意外なものだったので、神田という男をまじまじ見てしまった。
いわゆる、顔はイケメンだけど・・・中身がなぁ、なんて思いながら。

「とりあえず、隣の席だから。よろしく。」
「・・・・。」
「おーい、えっと、神田だっけ?」
「・・・・。」
(おい、無視かい。)

隣の席なんだから、と思い私は神田とリナリーに呼ばれていた男に向って話しかけた。
けれど、反応がない。つか、無視ですよね?これ。
何の反応もないので、私は話しかける事をやめ、私は机にうつぶせて眠りの体制に入ろうとした。

「てめぇ、さっきからこれ呼ばわりすんじゃねぇ。」
「・・・・は?」

先ほどの単語単語でしか話していなかった彼から話しかけられたと理解するのに時間がかかった。
でも、声のする方に顔を向けてみるとめちゃくちゃ機嫌が悪そうでものすごく睨んでる神田がいた。
私は思わず、変な声を出してしまった。

「今度、やりやがったら切る。」
「・・・・まさかの時間差ですか。」
(話・・・かみ合ってないわよ、二人とも。)


そのまま睨み続けながら神田は私に物騒な言葉を投げかけてきたのだった。
私が話しかける前の言葉に反応して話しかけてる彼に私はただきょとんとしていたのだった。
私たちの後ろにいるリナリーが溜め息をつきながら何かを思っているとも知らずに。


それから、リナリーの幼馴染だという事を知ったのはまた別の話。














出会いは、最悪・・・?






(なーんか、感じわるっ)
(あとあと、物騒なやーつっ)

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