全短編

□It is ・・・・ to notice arising feelings.
1ページ/5ページ


今日は快晴。

いつも通りの日常だと思っていたけど、今日は少し違った日常だった。




「っそんなぁ〜!!」
「“そんなぁ〜!!”じゃない。まったくお前という奴は・・・。」
「出来ないもんはしょうがないじゃないッスか!!」


こんな会話はこのクラスではテスト期間終了後にある。毎回英語のテストの赤点をとる彼・・・切原赤也がいるからだ。


(・・・中庭で昼寝したいなぁ。放課後に行こ。)
「ったく。仕方ないな。おい!神凪!!」
「・・・・。」
「神凪!!!」
「・・・っへ?」


授業が終わってからの予定を考えながら青い空を見ていたので、先生に名前を呼ばれていることに気付かなかった。もう一度名前を呼ばれて意識を戻せば、変な声を上げていた。


「神凪。」
「はい。」
「こいつはバカなんだ。」
「・・・はぁ。」
「それはないっしょ!つか、お前は否定しろよ!!」


私は歩いて先生の所へ行けば、真剣な顔で名前を呼ばれ、つられて真剣に返事をしたら、唐突に変な発言をされ、返事に困りながら曖昧に答えた。
当の本人である切原赤也は涙目になりながら反論していた。


「で、追試に合格しないとコイツとにかくまずいんだ。」
「先生!見捨てないでくれぇ〜!!」
(・・・どんだけまずいんだよ。つか、良く学校に入れたなぁ。)


さらに爆弾発言した先生にすがる切原を私は傍観しながら、冷静に切原の成績を予想していた。


「ということで、切原を頼む。」
「は?」
「あ〜先生、それは勘弁・・・。」


何が“ということ”なのか全然分からないけど、先生に頼まれ、私はフリーズしてしまった。切原君は、気まずそうに小声で断っていた。


「そうか。では、幸村に相談・・・」
「嘘です!神凪、教えてくれぇ〜!!」
「え・・・。あ、うん?」


先生から“幸村”という名が出たとたんに切原君の顔が青ざめた。青ざめたと思った次の瞬間、やる気を出したのを見て、面白い子だなぁと先生と切原君を眺めていた。
ぼーっとしていたら、いきなり話し掛けられて驚いたが、切原君の勢いに押されて私は勉強を教えることを承諾してしまった。





HRが終わり、掃除もし終わり教室には私一人だけしかいなかった。
何故私がたった一人だけしかいないのかというと、切原君が勉強するために休むと部長に連絡をしに行ってるので彼を待ってる。






「・・・・空が綺麗だなぁ。」



広い空を教室から見上げながら、呟いた一言が教室に響いていた。









次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ