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□LOVE SCREAM PARTY
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同性を愛すという自分の性癖に、ニール・ディランディはこれと言って悩んだ経験はない。

告白してきた女の子に、自分はゲイだからと断りを入れたことは一度や二度ではないし、ゲイバー、といわれる場所に出入りしているという事実にも、後悔したことなはない。

他人に好かれる容姿をしているからかもしれない。
自分の見た目の良さは、性癖と一緒に中学生の時自覚した。

大学生の時、カムアウトしてみたが周りの環境は何も変わらなかった。
ただ、男の子の告白を多く受けるようになった。

恋愛対象に不自由はしなかった。

恋愛とも言えない対象との体だけの経験もいくつかある。

もちろん、偏見する人もいたが自分にとって大して重要な人たちではなかったので、なんとも思わなかった。



退屈だった。



別に、同性愛者だからといって、波瀾万丈な人生を送りたかったわけではないが、これといって何も無さすぎる。

人生なんてつまらない、なんて達観した考えさえ頭をよぎることもある。


「社長」


突然、声をかけられハッとした。
頭を振ることで、思考の溝から覚醒する。

今、会議の真っ最中だ。


「どうでしょうか」


それでも管理職かというほどオロオロと、企画を発表していた部長らしい男が、その禿げた頭を汗で光らせこちらを見ていた。

その男だけではなく、みんなの視線がこちらに集まる。

ニールは姿勢を正した。


「なかなかの案だ。是非参考にさせてもらう」


事前に書類はチェック済みだ。
こんな会議、形式ばったものにすぎない。

禿げた部長に笑顔で頷いて見せると、彼はほっと安心したように肩の力を抜き、かと思うと次の瞬間深々と頭を下げた。


「それでは会議を終了します」


隣にいた女性の秘書が声をあげると、待ってましたとばかりに皆一斉に立ち上がる。

ニールはゆっくりと立って、一番最初にその場を辞した。




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