化学結合

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放課後の学校は何て幻想的なのでしょう
生徒がいない夕日の差し込む教室はそれはそれは美しく綺麗で…
そうまるでこの空間の中心に存在する私を包み込むかのような包容力が


獄「さっきから何謎すぎる脳内妄想で馬鹿やってんだ」

「女子の想像力をナメるな、ロマティカルナメんな」

獄「想像力は舐められませんwつーか聞いたことのない単語だな…、何だロマティカルって…ぶっ」


真剣な顔して言うもんだから、その顔面に一発ブチこんだ
今日は中指にゴツゴツリング付けてるから威力は3割増だぜ


雲「もっとも、想像力なんて可愛いものじゃないでしょ、要は妄想でしょ」

「ごめん雲雀は何があっても殴れないからあたしをいじるのは止めてあげて、あたし可哀想」


放課後の教室で何とも凄まじいメンバーが勢ぞろい
他の生徒はビビりすぐに帰宅したっぽい

そして何故この二人はこんなに憎たらしい
地球の果てまでぶっとんで戻ってこなければいいよ
爆発して塵になればいいよ



雲「心の中で蔑む事は出来るんだね」

「心読むとか同じ事しか出来ないつまらない奴は滅べばいい法則」

獄「何だ、やっぱ知ってんじゃん」

「隼人復活早!!」


自然に出てきた復活という言葉に何故か心の中で爆笑した
そのまま果てれば良かったのに


獄「なあ雲雀、暗くなる前に帰ろうぜ」

「すみません勉強教えてください」

獄「分かればいんだよ分かれば」

雲「で、be動詞は分かったの」

「そこは何とか」

獄「てか高校1年の時点でbe動詞とかマジ何で生きてるの?」

「存在まで否定するのかタコのくせに人間を侮辱するのか」

獄「なあ雲雀ー」

「ごめんって!あいむひげそり!」

獄&雲「「……………」」



ああああ!そんな冷たい目で見ないでよ!!
ブロークンハート!!
ねっねっこれは使い方あってるよね?!
ああああ、お二人がまた深いため息をつかれた!



雲「で、亜古川、さっきから気になってたんだけど」

「ふあぃ、何ですか?英文法の存在意義についてですか?」

雲「……………」

「あたしという人間を理解してください」

雲「人からモノを教えてもらうのに飴をくわえながらは失礼だよ」

「なにお!ペロキャンはあたしのオールウェイズ!!」

獄「使い方合ってるのかそうでないのか…」




あたしはアメリカ人!!




獄「お前みてーに英語が話せないアメリカ人なんてそうそういねーよ、むしろ小学生にも劣るんじゃね?」

「ノンノンあたしが言ってるのは飴梨果人…」

獄「やっべもう帰る時間だ」

「ソーリー!!ソーリー!!!」

雲「何かムカついた、馬鹿な事やってないで文法だけでもそのすっからかんな頭に詰めるよ」

獄「家帰ったら単語な、起きてるか電話してやらあ、寝てたら明日果たす」



やっべこの人たちって実はスパルタ?
まあしっかり分かりやすく教えてくれてこれはこれでラッキーだが
少しは感謝しないと?



獄「お前これ終わったら何か奢れよな」

雲「学年トップの僕らは高いよ」

「あたしの寂しい財布を更に寂しくする気っスか?」


前言撤回の方向で


…まあ別にいいけどさ





放課後エトセトラ

(ジュース一本しか買えない、から二人で回して飲んでね)
(野郎で回し飲み?!ありえねー!!)
(気色悪い…………)
(おたいふとってきまーす)







    

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