オリジナル
□RedBook
1ページ/13ページ
俺はガキの頃
車で三時間くらいかかるじいちゃんちまで行って、そのすぐ近くは海だった
両親がじいちゃんの海の家手伝ってるから、チビでガキな俺は仕方なく一人でかき氷食べようとしたら落っことしてばかみてぇに泣いてた
そしたら知らねぇおっさんから何かぶっとい赤いカバーのついた本を貰った
「なくんじゃねぇよクソガキが」
俺の頭を撫でながらその男はんな事を言ってた
本を開いてみるとそれは
ただのらくがきちょうだった
「……これ…らくがきちょう」
「んあ?あーンなもんだ。好きなもん描いてあそべ」
真っ赤で綺麗なカバーがついているこのごっつい本を、その男はらくがき帳だと言うんだ
まぁ聞いたのは間違いなく俺だが
でも俺は嬉しくておっさんにお礼を言った
「…あんがとな!!」
「おー、もー泣くなよ男なんだから」
_