恋は盲目

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高校に進学した、ベルと一緒に

なんて幸せなんだろう

同じ中学を卒業し、同じ高校に進学し



あの人 は 許してくれたのだろうか



「ベル、また行くの?」

「わり、顔ださねーと親うるせんだ。今日いきなし決まった事だから…呼び出してごめんな」

「ううん…いいの」


ベルに呼ばれて、家に来てすぐ。彼は何やら荷物をまとめていた
たまにベルは一週間や一カ月というまとまった日数居なくなる
それは両親が遠い所に住んでいて、こちらの中学や高校に通う条件として一定期間家に帰らなくてはいけない決まりがあるかららしい
一度も会った事はないけど、とても厳しい家柄なんだなと思った
だから何も疑ったりなんてしなかったし、ただ少し…ベルがいない間は不安になるだけ

このまま誰かに取られて、帰ってこなかったらどうしよう、なんて
ベルは優しいから、凄く格好いいから



「あんまり休んでると、単位取れなくて進級出来ないよー?」

「ししっ王子が進級出来ないとか無いし!…心配すんなよ、今度は三日で帰ってくるから」

「ほんとっ?」



三日でも十分長いけど
少しでも長くベルと一緒にいたいから
人生短いなあ、なんて感じるのはまだ早い時期だろうか



幸はベルを力一杯抱きしめた



「しし、どした?今日はやけに甘えてくんじゃん」

「…大好きだよベル、早く帰ってきてね」

「…………おう、俺も…大好きだ」



ベルも幸を強く抱きしめた

もう私達は深い深い想いで結びついてるって信じてもいいよね
だってこんなにも、お互い抱きしめるだけで震える程好きなんだから



「じゃ、行ってくるな」

「うん、…待ってる」



名残惜しげに身体を離した
玄関を出て、途中まで一緒に歩いた
寂しい、なんて思っちゃ駄目。強くならなきゃ


まさか、これで
あなたの笑顔がしばらく見る事が出来なくなるなんて
思ってなかった




(また幸との時間が減る…)
(またベルとの時間減っちゃうなあ…)

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