話2
□真剣ソルジャー
3ページ/3ページ
「信用出来ねェってんなら教えてやるよ…。俺の弱点はなァ、脇の下だ!」
「は…?」
目を丸くする土方に、両腕を垂直に上げて無防備な姿をさらす。
「触ってみろ」
「え…」
「こんな機会二度とねェぞ?」
「…嘘だったらぶん殴るからな」
開きかけの戸を閉めて土方が歩み寄ってくる。これから襲いくるであろう感覚に多少の怯えを感じながら、それでも俺はじっと待っていた。
一度互いの立場をイーブンにしなければ逆転のチャンスはなかろう。それが俺の出した結論だ。
「いくぞ」
「おう」
そんな流れで、俺は見事作戦通り土方との立場を互角に持ち直すことが出来た。土方も一応は俺の愛を信じたらしい。しかし付き合う気はないと言い張るし、俺が再び優位に立てる気配もなかった。
最近の俺は土方の泣き顔で頭を一杯にすることはない。その代わりに、隙あらば脇の下を狙ってくる土方にどうやって勝利するか、そればかりを考えるようになった。
「愛してるぜェ?十四郎」
「うっせェ馬鹿!」
とりあえず、愛してると言うと少し攻撃の手が鈍ることは、わかっている。
続 失望アタッチメント
戻 短編集BL