話2


□ここきす
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「愛してるよ」

急に耳に痒い言葉を吐いた銀時を、その膝に寝転ぶ土方は訝しげに見上げた。
持ち上げて読んでいたマガジンを一旦胸の上に置く。筋トレを兼ねているとはいえ、さすがに腕が疲れた。

「あ!その目線良い!ちょっと待て、カメラカメラ…」

「撮るな変態」

携帯を構えた銀時に悪態をついて、土方は目の辺りを手で覆う。

ことあるごとに、否、何でもないときにでさえ、銀時は土方を写真におさめたがる。
対する土方は写真を撮られるのが好きではなかった。預かり知らぬところに自分の痕跡が残るのが、どうにも気に食わない。
昔聞かされた「魂が抜ける」説の影響も少しはあるかもしれない。とにかく撮られて気持ちの良いものではないから、土方はいつも頑なに被写体となることを拒否していた。

「そんなに嫌なわけ?」

「あぁ」

「じゃ、チューで我慢しまーす」

そう言って顔を落としてくる銀時の唇を、土方は拒絶することなく素直に受け入れた。

お前のその、無理強いをしない優しさが、好きだ。

銀時とは違い、そんな甘ったるいことは恥ずかしくて言えない。その代わりに、土方は腕を伸ばして柔らかい銀色の髪を撫でた。






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