100のお題(1-40)


□004 故に、希望
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「月のくだりはなんだったんだよ」

「あー…忘れてくんね?」

「無理」

「いやいや、お前のポテンシャルがあれば…」

「で?」

「そんなに聞きてェの?今さら説明するって結構な罰ゲームなんだけど…」

「意味わかんねェままなのも罰ゲームだろーが、発言には責任持てや」

「…こんなうまくいくと思ってなかったんだよ」

「あ?」

「俺らもう友達期間長かったし、告白しても信じてもらえねェかと思って…、なんつーの?例として月を出したわけで」

「どういう意味だ?」

「…目に見えてるもんだけが真実なわけじゃねェよ、ってのを…」

「…わかりづれェ」

「うっせ!なんかロマンチックだしいいかと思ったんだよ!」

「アホだな」

「…でも、そんなアホが好きなんだろ…?」

「ま、見えてるもんだけが真実じゃねーからな」

「だろ?」

得意気に坂田が言うのと同時に、繋いだ手の結束が強まる。

仰ぎ見る葉桜は、花である時の何倍も美しい気がした。









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