100のお題(1-40)
□004 故に、希望
2ページ/2ページ
「月のくだりはなんだったんだよ」
「あー…忘れてくんね?」
「無理」
「いやいや、お前のポテンシャルがあれば…」
「で?」
「そんなに聞きてェの?今さら説明するって結構な罰ゲームなんだけど…」
「意味わかんねェままなのも罰ゲームだろーが、発言には責任持てや」
「…こんなうまくいくと思ってなかったんだよ」
「あ?」
「俺らもう友達期間長かったし、告白しても信じてもらえねェかと思って…、なんつーの?例として月を出したわけで」
「どういう意味だ?」
「…目に見えてるもんだけが真実なわけじゃねェよ、ってのを…」
「…わかりづれェ」
「うっせ!なんかロマンチックだしいいかと思ったんだよ!」
「アホだな」
「…でも、そんなアホが好きなんだろ…?」
「ま、見えてるもんだけが真実じゃねーからな」
「だろ?」
得意気に坂田が言うのと同時に、繋いだ手の結束が強まる。
仰ぎ見る葉桜は、花である時の何倍も美しい気がした。
終
戻 100のお題