100のお題(1-40)


□009 なんとも不思議なことよ。
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前々から思ってはいたが

こいつら全員、頭おかしい。

「なぁ、俺と食事からの映画からのサウナからのホテルだろ?」

「俺と朝まで調教祭に決まってまさァ」

「いや、副長はお疲れなんですから今日はゆっくり寝てもらいます!俺の膝の上で!」

「馬鹿を言うな!俺と朝まで士道について語り合うのだ!」

なんでこいつらいつも人の休みに朝から部屋に上がりこんで言い合いしてんの?しかもその内容ってのが誰が俺と明日の朝まで過ごすかだ。下らなすぎる。喧しいしうざいしどの提案も魅力がない。全部却下だ。俺は一人で静かに過ごしたい。

沖田と山崎はともかく、どうして坂田と桂まで侵入しているのか。その問題についてはもう突っ込む気にもなれなかった。毎度のことだからだ。桂にはいずれ手錠をかけてやろうと思っているが、関わるのが面倒でなかなかその気にならなかった。せっかくのオフに仕事なんかしたくない。
沖田と山崎も捕まえるつもりはないらしかった。正々堂々勝負するのだとかなんとか言っていた。人のことは言えないが完全に職務放棄だ。どうしようもない。

「なぁ大串くん、俺と行きたいよな?」

「俺にイかせて欲しいでしょう?」

「俺の膝で眠ってください!」

「さぁ土方!腹を割って語り明かそうではないか!」

「全員、くたばれ」

あらん限りの力で冷たい声と視線を繰り出すが、効果がないことは知っている。こいつらは俺の言うことなんて聞く気がない。自分を選ぶ以外の言葉は耳に入らないようにしている。最低だ。

これで俺のことを好きだとかのたまうんだから、ほんと死ねばいいと思う。

「大串くん」

「土方さん」

「副長」

「土方」

期待を込めた八つの目が俺に向けられている。

「…マヨ一気飲みして一番早かった奴なら、ちょっと相手してやってもいい」

「「「「………」」」」

全員絶句し、顔を見合せる。

少しの間。

「「「「………ごめんなさい」」」」

そう言って四人同時に立ち上がり、部屋を出ていった。

一人残され、望んでいた静かな時間に浸る。

なんだ、この敗北感は。







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