話(高校生連載)
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「ロケット鉛筆」
「え?」
「ってあったよな、昔」
「あー、ありましたね。懐かしい」
「なんだそれ?」
「知らねェ?こう…、芯が何個か連結されててーそれを順々に使ってく、っつーか」
「んー…見たことねぇ」
「高杉さんは知ってますー?」
「知るかよ、んなもん」
「バカにすんなよ?なんかよくわかんねェけど魅力があんだよ!」
「…そォか、良かったな」
「なにその気のない返事!お前ほんと協調性ねェよな」
「くだらねェ。バカに合わせてなんの得がある?」
「んだと!?」
「あーもう、喧嘩はやめてくださいね」
「な、持ってねぇの?」
「え?」
「そのロケット鉛筆ってやつ」
「んー…他の諸々と一緒に捨てちまったんだよなー」
「そうか…」
「駄菓子屋にありませんでしたっけ?あの片隅の文房具スペースに」
「そういやあったかもな、行ってみるか?」
「おう」
「久しぶりですよねー、懐かしい」
「高杉は行かねェよな?興味ねェんだもんな?留守番よろしくー」
「…駄菓子屋には、なくもねェ」
「…ほんと素直じゃねェよな…」
終
置いていかれるのが嫌いな高杉くん。
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