話(高校生連載)

□0427
1ページ/1ページ


「ロケット鉛筆」

「え?」

「ってあったよな、昔」

「あー、ありましたね。懐かしい」

「なんだそれ?」

「知らねェ?こう…、芯が何個か連結されててーそれを順々に使ってく、っつーか」

「んー…見たことねぇ」

「高杉さんは知ってますー?」

「知るかよ、んなもん」

「バカにすんなよ?なんかよくわかんねェけど魅力があんだよ!」

「…そォか、良かったな」

「なにその気のない返事!お前ほんと協調性ねェよな」

「くだらねェ。バカに合わせてなんの得がある?」

「んだと!?」

「あーもう、喧嘩はやめてくださいね」

「な、持ってねぇの?」

「え?」

「そのロケット鉛筆ってやつ」

「んー…他の諸々と一緒に捨てちまったんだよなー」

「そうか…」

「駄菓子屋にありませんでしたっけ?あの片隅の文房具スペースに」

「そういやあったかもな、行ってみるか?」

「おう」

「久しぶりですよねー、懐かしい」

「高杉は行かねェよな?興味ねェんだもんな?留守番よろしくー」

「…駄菓子屋には、なくもねェ」

「…ほんと素直じゃねェよな…」





置いていかれるのが嫌いな高杉くん。




コメントありがとうございました!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ