MaiN S
□たまには
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挿入時の痛みを慰めるように頭を撫でて口付けてくれる兄さんの顔は本当に優しくて、でもちょっと余裕がなさそう…その顔が見たいがためにバックを嫌がる俺に、兄さんは気付いているのかは置いといて。
俺は向き合った体位でお互いの快楽を煽るのが結構好きだ。俺の胎内の締め付けで引き起こされる兄さんの快楽に歪む顔は俺に更なる悦楽を与えてくれる。
好きな人が俺の体でこんなにも感じてくれているって分かるだけで、体だけじゃなくて心も満たされるんだ。愛あるセックスってこういうことなんだと、兄さんに抱かれながら何度も実感させられている。
血の繋がった兄弟。本来ならこんな関係になるなんて、誰が想像できるだろうか。届かないと思って諦めた想いは消えることなく随分と長い間胸の内に押し込めていた。その反動のせいか、互いの気持ちが通じ合った瞬間から俺達は普通の恋人以上に互いを愛しあっていると思う。
任務を請け負うこともあってすれ違いの生活だから、ついつい体のコミュニケーションが先になってしまうけど、俺はセックス=心のコミュニケーションだと認識しているから問題はないと思うんだ。
片思いのころの切なくも苦しい日々を思い返せば、言うまでもなく俺は幸せ。
いや、本当に。
「…サスケ、大丈夫か?」
「あぁ…っ、イイ…ぁ…ん」
「可愛いな」
「兄…さ…っ…」
「なんだ?」
「もっと…あ…ほし…」
「っく…お前は、本当に…」
可愛いな、そう耳元で囁かれてから激しい律動が始まった。耳朶を甘噛みされてゾクゾクとした感覚に襲われる。近くで感じる兄さんの吐息と俺の中を掻き回す兄さんの欲望に俺は堪らなく感じてしまう。
もっと…もっと…
「にいさ…好き…だ…ぁ、あ、あ、あ!」
「サスケ…サ…スケ…」
兄さんの先端が前立腺を掠めたせいで、背中が反って霰もない声を上げてしまう。ソコ…すごくイイ。そう伝えたいけど、言葉にする余裕もなくなってきた。
ぬちぬち、と結合部から発する音。皮膚が接触する音。それが室内に響き渡って興奮を煽られる。
あぁ、もうイく。
兄さんが前立腺だけを攻め立てるせいで俺は苦痛にも感じる快楽に溺れるしかなかった。このままだとまた前みたいに空イキという感覚を味わうことになってしまう。
あれは出来れば遠慮したい。余りにも快感が強すぎて意識がぶっ飛ぶことが珍しくないから。
意識が飛んでしまっては、事後の会話も出来なくなる。あの事後特有の雰囲気が好きなのに……俺がイっても踏ん張って意識を保てばいいのだけれど、兄さんに作り替えられた淫らなこの身体は中々言うことを聞いてくれない。
それすらも兄さんはお見通しで、空イキはしたくないという俺の意思をそれでも無視をするんだ。
理由としては単純。兄さんは射精せずにイきまくる俺の姿に興奮するから。
その理由を聞いたときは、大概この兄は鬼畜だと思った。でも、兄さんが満足してくれるならいいか…とか思ってる自分がいるんだから結局良いのかもしれない。
「あ!〜〜ゃ、ぁ、あああ」
芯をもった中心は先端から止め処なく蜜を流していて、それがイタチの手によってもみ込まれて育てられる。
目の前が真っ白になる。
イく…兄さん…イく…
「ほら、もう限界だろう?」
「ぁ、ぁあ!あ、あ、あ、!」
兄さんの俺を扱く手がラストスパートをかけるように早くなる。
後ろも、もう気持ちいいのかどうかも分からないくらいグチャグチャで。
前からは先走り液が溢れて兄さんの手を汚していた。身体全体、どこを触れられても感じて。兄さんにひたすら揺さぶられて喘ぐことしか出来なかった。
兄さんの欲が中に出されて俺も絶頂に昇るのにはそう時間はかからなかった。
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