比翼連理

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ダメだった。
最初から無理だったんだ。
私から手を離すなんて。



「……あの手紙、あれからどうした…?」


なんでも言えって嵐が言うから、ひとしきり泣いて落ち着いてから、おそるおそる聞いてみた。


「あのまま本人に返した」


「っ!……それ、ひどい…」


私が言うことじゃないけど、きっと一生懸命書いたラブレターのはず。
断られるにしても、まさか読まれもせずに突き返されるなんて思っていなかったんじゃないだろうか。
もし自分がそうされたらと思うと胸が痛む。
だけど。


「俺には、あのコの気持ちより花の気持ちの方が大事やから」


そう言われて満足している私はかなり性格が悪い。


「……それと、ね、部活、ホントに行かなくていい、の?」


「え?」


「ホントは…行きたい、んでしょう?」


卑怯な聞き方をした自覚はあった。
だけど、それでも嵐の言葉がほしかったのだ。


「…ええねん。サッカーしとるより、今は花の側におりたい」


せやからお前は気にせんでえぇの!と、私の頭をくしゃりとなでた嵐は笑っていた。


欲しかった答えに満たされ、そして同時に締め付けられる心。


縛りたくない。
だけど離れたくない。
ワガママな私はやはり罰を受けるべきなのかもしれない。



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