比翼連理

□冬の約束 1
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辺りはすっかりクリスマスムード。

毎年この時期になると浮かれた気分になるけれど、今年はそうも言っていられない。


花はもう、ほとんど自分では起き上がれなくなっていた。


別れが、近いのかもしれない。
縁起でもないことを、と自分でも思うが、なにか予感のようなものを感じるのは確かだ。


クリスマスが待ち遠しい。
今年のプレゼントは特別なのだ。

部活を辞めて、バイトを掛け持ちしながら必死で資金をひねり出したのは、渡すのは今じゃないといけない気がしたから。



***



クリスマス当日、朝から花の病室を訪ねた。
俺が来ても眠っていることのほうが多くなっていたが、今日は起きているようだ。


「……おはよ。…今日は、早いね」


横になったまま視線をこちらに向けた花は、さっきまで眠っていたのだろうか、どこかぼんやりとしたままゆっくり口を動かした。


「まぁな。…花に、渡したいもんがあんねん」


喜ぶだろうか、泣いてしまうだろうか。
少し緊張しながらポケットに手を入れた。



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