その他3

□先生を、
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「高尾先生」

『なんでしょーか、神崎さん?』



名字で呼び合う私達には、大きな大きな秘密がある。



「…ねぇ和、」

『んー?』


普段は名字呼び。でも二人きりになれば名前呼び。
そんな私達の秘密は、恋人同士であること。

教師と生徒という関係上、このことは絶対に隠し通さなければいけない。でもたまに抑えきれなくなるときがある。そういうときは和を相談室に呼び出すのだ。今みたいに。


「暇」

『俺は忙しいんだよ』

「そのくせこうして相談室来ちゃってるけどね」

『それ言われちゃ何も言えねーわ』


和の顔を覗き込み、そのまま唇を重ねる。

相談室だからといって、誰かに見られないという確信があるわけではない。下手に手を出してしまえば、喜びとともにバレてしまうかもしれないというリスクも同時に背負うこととなる。
頭の中ではわかっている。わかってはいるけれど、止めることのできない気持ちがあることを私は知ってしまった。

和の腰に手を回し、視線を交える。


「和、」

『……?』


黙って首を傾げる和を見て、

ああもう駄目かも。

そう思った。


「…大好き」


その言葉とともに、私は和の胸に耳を寄せた。


『俺も…』





先生を、離したくない…
(今も、)
(これからも、)

(20111220)
 

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