その他3
□先生は、優しすぎる…
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振られた。
「……っふ、う……」
ずっと大好きだった。
なんでこんなに好きなんだろうって思うくらい。
彼女がいたなんて知らなかった。
知りたくなかった。
放課後の教室、私は机を濡らして泣いた。
「……くやっ、し…」
『なにが悔しいんだ?』
「……せん、せ…」
頭上から降ってくる先生の安心するような低音。
いつの間にか私の目の前にいて、私を見下ろしている。
『…言いたくないのならそれでいい。でもな、』
一度口を閉じて、私の目線にあわせる。
『泣きたいのなら、我慢する必要はない』
「…っ、」
『俺は、なにも言わない』
先生は、ずるいと思う。
こんなにも私の心を掻き乱して。
そう、あんなに大好きだったはずなのに今となっては悔しい気持ちしか残っていない。不思議なものだ。
「…私、 大好きな人がっ、いたんです…。でも、その、人には…彼女がいて、私が…入り込むっ、隙間…なんてなくて…悔し、かった…悔しい…」
そんな私の独り言に相槌をうってくれる先生。それでもそれ以上はなにも言わずにただそばにいてくれる。
「…ただ、悔しい」
だからもう、これで終わりにする。
先生は、優しすぎる…
(その優しさが)
(与えてくれたものは…)
(20120202)
…よくわからないなこれ←