長編1
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《何泣いとんねん。》
そう言ってあなたは、しゃがみこんでいた私の顔を覗き込んだ。
《っ誰や、ほっといてや!》
《俺の居るそばで泣かれるんは気分悪いだけや。》
《なら、どっか行ってや……》
《イヤや、ほら顔あげや。》
そう言って、無理矢理私の顔をあげさせて……
あなたは不器用で素っ気ない笑顔を浮かべた。
でもそれに、何故か安心して。
《これ、やるわ》
気が付けば私の首には十字架のネックレス。
《俺とお揃いやで。何があったんか知らんけど、その十字架がお前んこと、守ってくれるから》
《………ありがとうっ》
《可哀想なお前に俺の‘まじない’教えたる》
《まじない………?》
《人生笑ったモン勝ちやでっ!》
《…………///》
そう、それが、
私の初恋で、
名前も知らない貴方を、今もずっと想っているんです。
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