長編3
□03
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「ここが合宿所」
『なんかジャングルみたい』
「先輩眼科いってらっしゃい」
他の学校よりも一足先に合宿所についた立海は、それぞれの荷物を下ろしていた。
私はというと、先輩とるんるんしていた。自分でもなにがしたいのかよくわからない。
『彼方っ!』
「ん?赤也」
『一緒に居てもいいか』
「どぞ」
『酷いっ、彼方!俺というものがありながら…』
「はいはいわかりましたから大人しく座っててください」
左から先輩、私、赤也の順でコンクリートに体育座りする。するとこれまたでかいバスがやってきた。お金持ちか!
「なんかでてきた」
バスの中からでてきたのは絵に描いたようなイケメン。そんなことを思ったのも束の間、そのイケメンはなんか指パッチンしだした。
「え、」
『俺様がキングだ!』
『「…………」』
こういう痛い人って放っておくのが一番なのかな。そうだよね、いやそうだと願いたい、いやそうだと切実に願う!
三人で固まっているとまた中から人が次々と現れる。
『…全く、派手好きなやっちゃ』
痛い人の後ろで眼鏡がそう呟いた。
…ん?あの眼鏡、あの髪、そしてあの関西弁。
…え、もしかして。
そう思ったときには走り出していた。
『ハッ、俺様の美貌に酔いしれt「侑士!」
『彼方!?』
「やっぱり侑士だ!」
『久し振りやん!なんでおるん?』
『ちょっとちょーっと!』
「なに赤也ちょっと今侑士と感動の再会中なんだけど」
『二人は付き合ってんスか!?』
『「いや別に」』
『ならなんなんスか!』
何故そんなに怒るのだ赤也よ。最近反抗期か。
「なにって、」
『見てわかるとおり』
『「従兄弟です」』
(はあ!?)
(俺様に見向きもしない、だと?)
(20120128)