その他1

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切原赤也



この日をずっと待っていた。
いつの日か交わした約束。

『俺達が付き合って十年目の日に、絶対結婚しよーぜ』

そういった彼の瞳をずっと覚えている。
真っ直ぐで、まるでその瞳に私しか映してないみたいに私だけを見つめて。
そんな彼の瞳が、私は大好きだった。
昔から真剣なこととなるといつも真っ直ぐになにかを見つめて。私には到底真似できるようなことではなかった。
そんな実は真剣なところも、明るいところも、たまに自分を見失ってしまうようなところも、良いところも悪いところも含めて、切原赤也という人間が好きだった。
そんな赤也と、今日、結婚することができるのだ。
ありきたりな表現だけど、私は今、世界で一番幸せな気がする。


『綺麗じゃん』

「赤也っ…!」


鏡に反射して映るのは、いつもとは違う赤也の姿。
タキシード姿の赤也を見て、本当に私達結婚するんだ、と今更ながら思った。


『…もう、十年経ったんだな…』

「早いね」

『…あの約束、本当に果たせるとは思ってなかった』

「はは、自分で言ったくせに?」


赤也も、私と同じようにこの十年を振り返っていたのかもしれない。
そう思うとなんだか嬉しくて、笑みがこぼれた。

私達はまた、同じ時を過ごしていくんだ。十年、いや、それ以上。

今までの十年なんて、準備にすぎなくて。


『じゃあ、行こうぜ』

「うん」


ここからまた、始まっていくんだ。





素晴らしい結婚
(貴方を一生愛すること)
(神になんか誓わない)
(貴方自身に誓います)

(20111231)

やたら短くなってしまった…
 

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