はな.きみ

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南先輩って部屋に居るのかな。
部屋に居なかったら何処に居るのか分からないんだけど、
取りあえず部屋へ向かっている。


乱れた呼吸を扉の前で正してゆっくりドアノブに手をかける。



「・・・何緊張してるんだろ」



私の部屋でもあるのに。
とちょっと笑って扉を開ける。



「っ・・・南先輩!」



「え・・・はる?」



「南、先輩っ・・・!!」



南先輩をみたら無償に抱きつきたくなって
ベッドに寝転がってた南先輩に抱きつく。



「もう大丈夫なのか?」



「は、い」



「そっか、よかった」



ふわりと撫でられた感触が、妙に懐かしい。




「・・・ありがとな、はる」



「私は、何もしてませんよ」



「いや、はるのおかげで引っ掛かってたものが取れた」



「・・・なら良かったです。
でも、本当は余計なことしたから、別れる、とか・・・
言われるんじゃないかなって思ってたんです」



「・・・言っただろ?はるに告白した時、離さねぇって」



「・・・はい!」



やっぱり私には南先輩しかいなかった。
そう、最初から。
可南子さんのおかげで二人の距離も縮んだのかな。



「はる」



「・・・はい?」



「今日、一緒に寝ねぇ?」



「え、は、え、えぇ!?」



ちょ、どうやったらその発言に・・・っ!!




「良いじゃん、仲直りってことでさぁ。俺、“こんな先輩だから私はー”ってやつ、結構傷ついたんだぜー?」



「あ、うっ・・・ごめん、なさい」



「あ、いや・・・俺も悪かったからさ。でも今日は。
はると寝たいなーって・・・駄目?」



ベッドから私を見上げる先輩はいつもと逆。
先輩の方が背が高いからいつも私が見上げてた。
・・・先輩の目が子犬見たいで、


断れない・・・。




「っ・・・千里に、怒られちゃいますよ・・・」



「良いよ、別に」



「しょうがないですね。先輩は」



なんて言ってるけど私も先輩と寝たい。
今日くらいは先輩の体温を感じて寝ていたいよ。



「おいで」



「・・・はい」



手を広げた先輩の胸へと入る。
ぎゅっと抱きしめられた感覚が、
心とはちょっと違って心地よい。



「あー・・・はる柔らけぇ」



「・・・先輩、セクハラですよ」



「えー、良いじゃん。・・・彼氏、なんだしさ」



耳元でささやかれて頬があつくなっていくのがわかる。
赤くなっているのがバレないように先輩の胸へと顔を押し付けると
先輩は何も言わずに私の頭を撫でた。



「いろいろ、ごめんな。ありがとう」



「せん、ぱい」



「・・・大好きだ、はる」


小さなリップ音をつけて先輩が私のおでこにキスをする。
それから顔を上げた私の頬に、唇に、鎖骨に。
いつの間にか私が下になってて南先輩が私を見降ろしていた。



「愛してる」



「っ・・・先輩」



それは、心の準備が出来てないって言うか・・・!!
まだ、無理なのに、声が出ない。



「・・・はる」



「え・・・?」



何でかわかんないけど涙が出てて南先輩が私の涙をぬぐう。



「ごめん。怖かったよな」



「ちがっ・・・!!
怖くない、って言ったら嘘になるけど・・・でも、先輩なら私、」



「無理しなくて良いよ。
はるの心の準備が出来るまで待つ。
今はこれで十分」


私の唇にキスをした先輩がごろんと横になる。

私は、南先輩に無理させちゃってるのかな。



「俺さ、はるは大切にしたいから」



「・・・」



「お休み、はる」



随分近い先輩の顔が笑顔になる。
それだけで酷く安心して、私もにこりと笑った。



「っ・・・!それ、反則」



「え?」



「何でもねぇよ!ほら、寝るぞーっ」



「わ、ちょっ・・・!」



頭を胸に押しつけられて南先輩の顔が見えないけど、
耳がちょっとだけ赤い気がしたのは気のせいじゃないはず。


だってほら、先輩の脈が速いもん。



「えへへ・・・いつも余裕そうな先輩も、今日は甘えたさんなんですね」



「うるせえよ」





仲直りの印に口づけを
(大好きな先輩の一面がひとつ見えた気がした)


****
イケパラ最終回なう!
キャストの皆様、スタッフの方々!ありがとうございました。
イケパラは私にとって、とても大切な作品となりました。

イケメンパラダイスと言う最高の作品に出会えて良かったです。
イケパラが終わってもこの小説は続きますが、飽きずに読んで下されば嬉しいです。


本当に、花ざかりの作品に会えてよかったです。
ありがとうございました!!
最後に、これを読んでくださっている方々をドラマの様な幸せな気持ちに出来ていますように。


あぃのん 2011.09.18
 

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