頂きもの&捧げもの

□陽だまり
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とくん とくん・・・


とくん、とくん・・・



水谷の穏やかな心音を聞いていたらどうしても目蓋が重くなってくる。



あったかいし、水谷の匂いは安心するから仕方がないんだけど。



『眠くなっちゃった?寝てもいいからね』



やわらかくて俺にだけとびきり甘い声。



ぴったりとくっついてると水谷の声が身体全体に響いてひとつになったみたいで幸せなんだ。



なんて言ったら、間違いなく調子に乗るから絶対に言わないけどね。



ああ、くやしい。



眠りたくない。



くやしいんだけど、好きなんだよな。



不安だったりすることも多いのに。




『大丈夫だよ』




微笑みと共に額にふわりと落とされるキス。



ああ、もう。だから、このタイミングでそんなこと。



心の中が見えてたの?



どうしてこの温もりを手放せないのか、なんて。



ほんとはわかってる。




さみしときも




ツライときも




いつだってそばにいてくれるからだ。




もちろん楽しいときも




うれしいときも




当たり前みたいに両手を広げて待っていてくれている。




ああ、好きだなぁ。




とくん、とくん・・・・



生きてる証しのリズムは陽だまりのようにあたたかく心を満たす。




微睡みの淵がゆるゆると曖昧になっていく。




もういいや、このまま眠ってしまおう。




目が覚めたとき、ちゃんとそばにお前がいて。




きっと口を開けて眠ってるはず。




そっか、こういうのをしあわせっていうんだろうな。




*end*






海都さま始め東北方面のミズサカ好きの皆様へ

不安な日々が続く中、今いる場所で前へ前へと進まれる方々が少しでも心があたたかくなりますように。



2011.6.27

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