頂きもの&捧げもの

□キューティクルヘア
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『お疲れさまです。失礼します!』


俺が出入りしている美容室…
ここに来ると…いつも熱い眼差しで見られる…

あっ…まただ…
て…店長のさ…栄口さんに…

俺は他の従業員に納品チェックをしてもらいながら後ろの視線を気にしていた…

さ…栄口さん…笑顔が素敵で癒し系…そ…して…男なのにしなやかな細い指…


お…俺の事好きなのかな…


『…さん』


だったらう…うれしいな…


『水谷さんっ!』


びくっっ!

俺は納品チェックをして貰っていた従業員に呼ばれて我に帰った…


『あっすみません…』

『いえ…OKです。お疲れさま。』


さっ次に行かなくちゃ…
本当はもっと居たいけど…

俺は頭を下げて店をあとにし車に戻ると『水谷さん』って呼ぶ声がしてミラーで確認をした。


あっ…さっ栄口さん…


俺は急いで車を降りた…


『あっあの…俺…水谷さんに言いたいことがあって…』


え…


栄口さんは目を泳がせながら顔を赤くして俺を見た。


『ずっと…言おうと思ってたんですが…』


まっ…まさか…こ…こくは…


『水谷さんの髪…カットさせて貰えませんか?』
『俺で良かったらっ!』

『え?』


ってちょっとーっ!今なんて言った?俺の髪をカット〜!?

ふみき…早とちり?

言うのと同時に返事をしてしまい…栄口さんはキョトンとしてから…


『あっすみません…変な事お願いして…実はいつも水谷さんの髪を見てたんですが…』


すごい髪質いいですよね?って…そんでその髪をカットして見たかったんだって…

うわぁ〜嬉しい…
学生時代…チームメイトにウザがられても…髪の毛…大事にしてて良かった…


『こんな髪で良かったらっ!いつでもっ!』


俺が答えると栄口さんは『ありがとうございます。』と…ふわっと笑った。
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