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□U
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SAKAEGUCHI side
『ふぁ〜。眠い〜』
夜に水谷が電話をくれたけど、あくびばっかり。
『疲れてるねぇ』
俺と話しててもつまんない?
もう少しで出てしまいそうになった言葉を飲み込む。
知ってる?二週間も1組に来てないんだよ。
あんなに会いに来てくれていたのに…
ぐっとまた飲み込む。
『あくびしてた?ごめんね〜』
ガサガサという音がした。
ベッドに入ったのかな?
半分眠っているのかもしれない。
『水谷疲れてるんだし、早く寝ちゃいな。もう、俺に電話くれなくてもいいよ』
『う〜ん。ごめんねぇ。めちゃくちゃねむい〜。おやすみぃ』
プツリと切られるライン。
あっけないくらい…
今まで繋がっていると思っていた心も、実はもう切れているんだろうか。
沈黙する携帯を冷たい手で握り締めた。