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□シアワセノイロ
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クリーム色のカーテンから、零れる眩しい光。


さらさらとひんやりしたシーツが肌を撫で、ゆったりとした浮遊感が漂う。


心地よい疲労感をまとった身体。


微睡みのなか、ふと視線を移すと隣には明るい茶色の髪がふわふわのクッションに埋まっていてぐったりと俯せのまま。




無理させちゃったよな…


大丈夫?と声をかけようとして


その細くて白い肩に触れる寸前で手を止めた。




あ…


また、だ…


どくりと中心が脈打つ。



何度抱いても…


また触れたくなる…


理性がまったく効かなくなって欲望のままに抱いてしまう…


その身体に手を這わせ、唇と舌で肌を味わいたい…


すべてを奪い尽くしたい…





急に口の中が渇いてきて、目を瞑った。


普段の姿からは想像も出来ないほどに淫らに変貌を遂げる瞬間。


『あっ…やぁっ……ふ…みき…ぃ……』


耳に残る声は甘く掠れていて、深い快楽の余韻に身震いをした。





『…だめ、だ……ごめん、ちょっと離れて…』


『どうしたの?』


クッションから上げた顔は少し不安そうな表情。


薄く開いた唇は濡れていて極上の甘味を漂わせていてくらりと眩暈がした。


理性を総動員して必死に欲望を押さえ込んでいるっていうのに…


まいったな…





なんでもないよ、って笑ってごまかそうとしたのに


目が離せなくなった。


そこには俺が付けた所有のしるし。


細い首筋に赤い鬱血が何個も何個も


つけちゃダメって言われると、余計につけたくなって


栄口を離したくなくて


誰にも取られたくなくて


俺が抱いてるってコトを忘れてほしくなくて


情けない程の独占欲の証




『だから…そんな顔で見ちゃだめ。また、シたくなっちゃうからっ!』


栄口のかわいこちゃんビームの視線から逃げるようにベッドから身体を起こして背を向けると、一瞬の沈黙のあとクスクスという笑い声。


『…もぉぉ、笑えばいいじゃん。自分を押さえらんないくらい、何度でも抱きたくなるんデス。わかったら離れてて』


恥ずかしくてしかたがないけど、栄口にも協力してもらわないと。


何か他のコトを考えて熱をやり過ごそうとしていたら、がさりと衣擦れの音がしたあと背中にぴったりとくっついてきたぬくもりにどきんと心臓が跳ねた。




『…ちょっ、だめだって。俺ホントに我慢できないから…』


『…ばか。こっち向けよ』


背中から怒ったような栄口の声。


『ふぁい…』


言われるままに向き合うと、ぱちりと目があう。


真っすぐで曇りのナイ瞳…


ぼんやりと見とれていたら、顔が近づいてきて伸びあがるようにしてやわらかな唇が触れた。


びっくりして目を見張ると、恥ずかしそうに頬を染めて俯いてしまった。


下を向いたままの唇から小さな呟き。



『…いやじゃ……ない、よ?』





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