リクエスト作品
□病める時も健やかなる時も
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その日。
爽やかな初夏の陽気の中、フェアリーテイルの小さな妖精レビィ・マクガーデンは、街の教会で皆の祝福を受けながら、レビィ・レッドフォックスと名を変えた。
「レビィちゃんおめでとう!!すごく綺麗だったよ〜vvv」
「ガジルもなかなか様になっていたぞ?
レビィとは皆、子供の頃から姉妹のように育ったからな…。
もしも泣かせるような事があったら、この私が直々に仕置きをしてやろう」
式の後、「結婚パーティー」と称してギルドで開かれた祝いの宴は、常と変わらぬドンチャン騒ぎに毛が生えたようなものだったが、心から2人を祝福する皆の温かい気持ちに溢れていた。
「ったく、アンタ達に先越されるとはねぇ;
ちょっとガジル!!アンタもちろん、嫁さんの分まで飲んでくれるんだろうね!?
今日はキッチリ男見せてもらおうじゃないか!!おーいっ、どんどんこっちに酒持ってきて〜!!!」
「てめぇ…パーティーにかこつけて飲みたいだけじゃねぇか!!タチ悪ぃな、ったく;;」
「あはは、結局こうなるのね…;;でもいいか、フェアリーテイルらしくて。ね、ガジルvvv」
もはや収拾のつかなくなった宴は真夜中過ぎまで続いた。
結局、レッドフォックス夫妻はほとんど一睡もせずに、明け方そのまま新婚旅行へと旅立つ事になったのだった。
「クソッ、あのうわばみ女…バカみてぇに飲ませやがって…!!まだ頭がガンガンしやがる;」
「でも、なんだかんだ言ってつき合っちゃうのがガジルのいいトコだよね〜。あんまりお酒強くないのに…フフッvvv」
「うるせぇ!!!……うぉっ、痛ぇ…;」
旅行の行き先は、飛行機で10時間以上かかる東洋の国、ジパング。
2人とも、一緒に居られるならどこでも…と思っていたが、あちこち観光するよりも、ゴミゴミしていない静かな所でゆっくりしたい、というのが共通の希望だった。
そこでレビィは、以前ルーシィが「鳳仙花村」という所の旅館や東洋建築がなかなか良かった、と言っていたのを思い出し、せっかくの新婚旅行だから…と遠く離れたジパングを提案したのだった。
搭乗口まで来ると、ガジルは初めて見る飛行機というものの大きさに思わず歩みを止めた。
「おい……こんなモンが本当に飛ぶのかよ…ありえねぇだろ;;」
「う〜ん、飛行機の飛ぶ原理については諸説あってね。一般的には、ベルヌーイの定理と作用反作用の定理で説明するんだけど、それだけでは……」
「アツくなってるとこ悪ぃんだけどよ。その話、長ぇのか……?;;」
「……あ、ごめん。また悪い癖が出ちゃったね///」
飛行機が飛び立つまで戦線恐々のガジルだったが、昨晩の疲れもあり、結局到着するまで2人ともグッスリと眠って過ごしたのだった。