リクエスト作品
□お気に召すまま
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家に帰って鍵を閉めると、レビィは何故か早足で寝室へと向かい、バタンと後ろ手でドアを閉めた。
ドキドキと高鳴る心臓をいったん落ち着かせて深呼吸し、持ち帰った紙袋をそっと開けてみた。
中身を取り出し、ベッドの上に広げてみる。改めて見ると、かなり大胆なデザインだ。
頭の中に、カナの言った「マンネリ」という言葉が一瞬浮かんだが、レビィは慌てて首を振ってそれを打ち消した。
「1回着てみるだけだよ…?ほ、ほら、せっかくのルーちゃん達の好意だし、着てみた感想くらいは言わないとね!!うんうん;;」
独り言で無理やり自分を納得させると、衣服を全て脱ぎ去り、優しい友人達の「好意」を身に纏ってみた。
部屋の隅に置かれた姿見に、恐る恐る全身を映してみる。
(うわぁ……スゴイ///可愛いけど、ちょっと…ガジルの前で着る勇気は無いなぁ…。もし引かれたりしたら、立ち直れないよ;;)
レビィは、産まれて初めてのこの姿を自分の胸の中だけにしまっておく事にした。
元の服に着替える前に目に焼き付けておこうと、姿見の前でクルリと回ってニッコリと微笑んだ。
「………何やってんだお前;;??」
突然背後から聞き慣れた声がして、レビィの背中に冷たいものが下りてきた。
硬直したままでぎこちなく振り向くと、そこには居るはずのない彼女の夫の姿があった。
シャワーを浴びていたのか、上半身裸で濃いグレーのスウェットパンツを履き、濡れた髪の上にバスタオルを被せている。
「ガジル、どうして…一週間ほど帰って来ないはずじゃ……。」
「仕事がとっとと片付いちまったんだ。もう一泊して明日帰ろうかと思ったんだが、リリーの奴が『後始末しとくから早く帰ってやれ』ってうるさくてよ。っつーか、玄関に靴あっただろうが!?」
動揺してあまり目に入らなかったが、言われてみればガジルのブーツが隅に置かれていたような…。
「え…と;;、……いつから見てたの?」
「クルッと回る少し前からだ。」
あまりの恥ずかしさに一気に頭に血がのぼり、レビィは眩暈をおぼえた。
「あのね…こ、これは違うの!!!ルーちゃん達が結婚祝いにくれたもので、一度だけ着てみようと思って……///」
「……………。」