リクエスト作品

□この小さな温もりを
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その日の仕事を終えたガジルは、相棒のリリーと共にギルドへ帰る道すがら、今朝ミラジェーンと交わした言葉を思い返していた。

アイツが、泣いていた……。泣かしたのは、誰あろうこの俺であるという。
それを思うと、刺すように胸の奥が痛んだ。何とも居心地の悪い気分だ。


「おいガジル、聞いてるのか?おいっ!!」

次の仕事の話をしても上の空なガジルに、リリーは念を押すように言った。

「ああ……悪ィ、何でもねえよ。」

「そうか。ならいい。」

「……お前、何も聞かねぇのか??」

「悪いが、人の恋路に口を出す趣味は無いんでな。」

「な…っ///何でオメーに分かんだよ;;」

「さあな。どういう訳か、お前の考えている事は大体分かる。他の者はどうか知らんが、そろそろお前との付き合いも長いからな。」

「クソッ…どいつもこいつも……;;」

「だが…仕事に差し支えるとなると、話は別だ。何があったか知らんが、おおかたお前があの子を泣かしたって所だろう。自分のした事の後始末くらい、とっとと片付けたらどうだ?」

「……お前に言われるまでもねぇよ!!!」

「それは頼もしいな。」


そうだ。こればっかりは、アイツに投げる訳にはいかねぇ。
男として、俺自身が答えを出さなきゃならねぇんだ。
何より、アイツの泣き顔は…もう絶対に見たくねえ。
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