リクエスト作品

□この小さな温もりを
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翌日、朝早くからギルドに顔を出したガジルは、どこか吹っ切れたような表情でカウンターに腰掛け、「彼女」を待っていた。

(昨日「男らしくない」とか言ったもんだから、わざわざ見せにきたのかしら、この人…;;)

意外と可愛いとこあるのね…などと思いつつ、仏頂面で腕を組んで入り口を見つめるガジルの前で、ミラは黙って開店の準備を進めていた。

朝の9時をまわり、ギルドも少しづつ賑わい始めた頃、レビィは姿を現した。
すぐ近くに座って待ち構えていたガジルと、必然的に目が合う。
泣きはらした後なのか、少し赤みの残る目元を見て、ガジルはたまらない気持ちになった。


「おい。ちょっと顔貸せよ。」

「……何?私これから仕事なんだけど。」

「時間はとらせねぇよ。……頼む。」

レビィは渋々、ガジルの隣に腰掛けた。


「昨日は、その……悪かった。」

「…何のこと??」

「お前の知らねぇ女と、黙って飯食ってただろうがよ?」

「そんなの…私には関係ないでしょ?だって私達、別に恋人でも何でもないんだし……。私、バカみたいだよ…一人で勝手に盛り上がって…。」

「それは……」


昨日一晩考えて、それなりの決心をしてきたつもりだった。
「付き合ってくれ」と言うだけだ。簡単な事じゃねぇか…そう思っていた。
だが、実際レビィを目の前にすると、たったその一言が言えずに言葉に詰まってしまう自分自身にガジルは驚いていた。
チラリとミラジェーンを見やると、客の相手をしながら「お手並み拝見」とばかりにこちらに注意を向けているのが分かった。

(クソッ…!!俺ぁ…こんなにダセェ男だったのかよ!?)


「もういい?私……そろそろ行くね。」

「おいコラ、待ちやがれ!!」
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