リクエスト作品
□ようこそ、この素晴らしき世界へ
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ガジルが部屋に入っていくと、レビィはもう上半身を起こしてこちらを見ていた。
「心配かけちゃってごめんね、ガジル。」
「何言ってやがんだ。それより、もう起きて大丈夫なのかよ?」
「……ん。まだちょっと気分は悪いけど、今はこの姿勢の方が楽なんだ。」
「………そうか。」
そう言うと、ガジルはベッドの側の椅子にゆっくりと腰掛け、レビィのお腹の辺りをじっと見つめた。
「え…と…、できたみたい、赤ちゃん。」
「おう。今、聞いた。」
「ハネムーンベビーかなあ、えへへ…あ、帰ってきてからのあの時かも??」
「んな事ァ、どうでもいいじゃねぇか///」
「そ、そうだね///ごめん;;」
少し震える手で、ガジルはレビィのお腹にそっと触れた。
「ここに、もう居るのか……俺の、ガキが??」
「何言ってんの、当たり前でしょ///」
「……………すげえなぁ……!!!」
前から子供を欲しがっていたガジルは、きっと喜んでくれるだろう…とレビィは思っていたが、「感心される」というのは全く頭に無かった。
お腹をさすりながら、目を輝かせてしきりにスゲェと連発する彼がたまらなく可笑しくて、レビィは思わずプッと吹き出してしまった。
「オイ、いつ産まれんだ??」
「ポーリュシカさんの話だと、まだ二ヶ月目だっていうから…う〜ん、あと八ヶ月位かなぁ??」
「そうか………そうか!!!」
ガジルは、お腹に宿った新しい命ごと、レビィを抱きしめた。
それは、壊れ物を扱うように、そっと、そっと。
レビィも、そろそろとガジルの背中に手を回す。
「ガジル。私……いいお母さんになるよ。早く、この子に会いたいな。」
ガジルが何かを言いかけた時、突然背後のドアが開き、二人は慌ててパッと離れた。
そこに現れたのは、ドロイからの知らせを聞いたメンバーの中で、いち早く到着したエルザ・ナツ・ハッピーだった。
「子供ができたそうじゃないか!!おめでとう、レビィ。………は、早いな、ガジル;;」
「よかったなぁレビィ!!、ああ、確かに早ぇな。」
「うん、そうだね、早いね。」
「て、てめぇら………///来てイキナリ言う言葉がそれかよ!?;;」
その後も続々と到着する仲間達にもみくちゃにされるガジルを、レビィはずっと嬉しそうに眺めていた。