リクエスト作品

□白衣の悪魔と青い髪の天使
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少なくともレビィは、「性的な魅力」という点では、昔のガジルにとっては全く範疇ではないはずだった。

別段大きな出来事があった訳ではない。
「妖精の尻尾」に加入してから、彼なりに周りに溶け込もうと努力する中、徐々にメンバーと打ち解け始めた。
当然その中には、この手で傷つけてしまったレビィもいた。
過ぎてしまった事は、今さらどう取り繕おうが二度と消えはしない。俺は俺で、自分なりの償いをしていくしかないと、そう考えていた。
そして……他愛無い日常を積み重ねるうち、いつしか自分の中に、今まで知らなかった感情が芽生えているのに気付いたのだった。

声が聞きたい。側にいたい。触れたい。これは、理屈ではない。
しいて言えば、魂の部分で惹かれている…とでも言おうか。
まだ付き合い始めたばかりではあったが、彼にはすでに「コイツとは生涯離れる事は無いだろう」という確信のようなものがあった。


ガジルは、しばらく目を細めてレビィの話し声に耳を傾けていたが、突然カーテンが勢い良く開かれ、その幸せな時は中断してしまった。


「ガジルさん、今日は入浴どうなさいます??もし入浴されないなら、身体を拭く蒸しタオルもありますよ。」


今度は、威勢のいい年配の看護師であった。


「……アァ!?入浴だぁ……??この状態でどうしろってんだよ。」

「そうねぇ、ガジルさん身体が大きくていらっしゃるから…ヘルパーと看護師3人ほど呼んで、お手伝いしましょうか。……あら!!今ちょうど介助用の広い浴室が開いてるわよ。よかったらいかが??」

「………頼むから、タオル置いてってくれ;;」

「置いてって、って……あら?」


看護師は、そこで初めてレビィの存在に気付き、目を丸くした。


「あの……お、お世話になってます///」

「あらヤダ!!!こんな可愛らしい彼女さんがいらっしゃったのね〜vvvもぉ、ガジルさんったら何もおっしゃらないから…。それじゃ蒸しタオルここに置いときますから、あとはお願いするわね!」


レビィの目の前にタオルを置くと、その看護師は「若い人はいいわね〜vvv」などと独り言を言いつつ去って行った。

残された2人は、しばらくそのタオルをじっと見つめていたが、レビィがハッと我に返って言った。


「え―――っと……それじゃ私、拭いてあげるね;;」

「い、いや、今日はいい///できるようになってから自分でやる。」

「え、でも汗かいてるだろうし……。大丈夫だよ!私気にしないし、なるべく見ないようにするから!!」

「俺が大丈夫じゃねぇんだよ!!!」

「えっ!?」

「あ、いや…なんでもねぇ//////」
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