リクエスト作品

□お月様は知っている
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部屋に帰って来ると、ガジルはまっすぐに寝室に向かい、レビィを起こさないようにそっとベッドに横たえた。
シャワーを浴びようと一旦部屋を出かけた時、レビィが何事か呟いた気がして、再び彼女の横に腰を下ろした。


「お…かあ……さん………。」

切なげな声と共に、閉じたままの目から涙がひとすじ零れ落ちる。


(そういや、コイツも親がいねえって言ってたよな……)

そのあたりの事情に関してはガジルも聞いたことが無かったし、もちろんレビィの口から話してくれるまでは、自分から触れるつもりも無かった。
おそらく彼女も、この小さな体に何かを背負っているのだろう。
ガジルはたまらない気持ちになり、その大きな手でレビィの髪を優しく梳いた。


「………ん…。」

レビィが、うっすらと目を開ける。

「悪ィな、起こしちまったか。」

「あれぇ、ここ……ガジルの部屋?」

「そうだ。お前あれからすぐ寝ちまったからな。」

しばらくボンヤリした後、レビィはゆっくりと起き上がると、ガジルの首に腕をまわし、ギュッとしがみついた。


「ガジルは、ずっと側にいてね……。」

……悲しい夢でも見ていたのだろうか。
ガジルは、幼子をあやすように彼女の背中をポンポンと叩き続けた。
レビィは不意に腕をゆるめると、ガジルの顔を見つめ、再び目を閉じて小さな唇を突き出し、キスをねだった。
ガジルは一度触れるだけのキスを落としたが、なおも唇を突き出すレビィに、今度は二〜三度、小鳥がついばむようなキスをした。


「んん〜っ、もっと…ちゃんとしてよぉ。」

まだ酔いが醒めておらず、少し充血して潤んだ瞳に、鼻にかかったような甘えた声。
他の女ならば辟易してしまうところだが、相手はレビィだ。完全に分が悪い。
ガジルは求められるがままにレビィの唇を完全に塞ぎ、舌を絡めて深く口付けた。
口の中に、甘いシャンパンの味と香りが広がる。

「ん……ふっ……、ぷはっ!ハァッハァッ……。」

「これ以上はマズイ。お前、なんかおかしいぞ?今日はもう寝ろ。」

酔っている時に手を出すのは、弱みにつけ込むようで気が進まなかった。

「ヤダ!もっといっぱいして!!!」

「な……っ、なに言ってやがる///まだ酔っぱらってんだろ?いいから早く寝ろ!!!」

「酔ってるからじゃないもん!!わ、私だって…して欲しい時もあるのっ!!!!」
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