リクエスト作品

□はじめての おかず
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「ねぇ、リリー。ガジルって、嫌いな食べ物とかあるのかな…??」
「さぁな…俺の知る限りでは、無かったと思うが。」


ガジルと恋人同士になってから、半年がたった頃。
レビィは、ガジルの相棒・リリーにある相談をもちかけていた。

ギルドの片隅のテーブルで、レビィと角を挟んで隣にチョコンと座っているリリーは、外見こそ丸耳の可愛らしい黒猫だが、年齢的にも精神的にも立派な大人である。
ガジルと付き合う内にリリーともすっかり打ち解けたレビィは、今や家族同然の存在としてリリーを頼る事があった。

一方リリーも、芯が強く聡明だが、ガジルの事となると途端に子供っぽい一面を覗かせたりするレビィを、とても微笑ましく思っていた。
また、常にガジルを一番そばで見ているリリーは、レビィを知れば知るほど「この娘は、あのガジルには申し分のない子だ」という思いを強くしていた。
わざわざ余計な世話を焼くことはなかったが、リリーは、一歩引いて若い二人を温かく見守っていたのだった。

「やっぱりそう?いつも、何でもよく食べてるもんね。」
「どうしたレビィ、手料理でも作ってやろうってのか?」

レビィの頬に、ほんのりと赤みが差した。

「うん…///今度の日曜日にね。いつもガジルには助けられてばっかりだから、何かお礼がしたくて。」
「奴は別に、気にしちゃいないと思うが?」
「私もそう思うけど…いいの、私がしたいだけだから。でも私、実はお料理あんまりした事なくて;;これを機会に、ちょっとずつ勉強したいなぁ、なんて。」
「なるほどな。そういう事なら、後ろにいる彼女に聞くのがいいんじゃないか?」

ちょうどレビィの後ろを通りかかったミラジェーンは、二人の視線を感じてレビィの横に腰掛けた。

「今日は彼氏抜きなのね。何か御用?」
「もう、ミラったら///」
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