裏小説

□離れない
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十分に濡れそぼったそこを2〜3回ヌルリとなぞってから、ガジルはゆっくりとレビィの中を進み始めた。
身に覚えのある激痛が、レビィの身体を貫く。
やがて三分の一ほどに到達したが、そこから先はまだ進んだ事のない場所だった。
大丈夫かと確認するガジルに、レビィはやっとの思いで声を絞り出す。


「だっ…だ…い…じょう、ぶ…。」


大きな瞳をパチパチと瞬かせ、顔面は蒼白、額にはうっすらと汗が滲んでいる。どう見ても大丈夫ではない。
ガジルが、苦笑して彼女から身体を離そうとした、その時。


「お願い、今日はやめないで…お願い……お願い!!」


レビィが、激痛に耐えながら懇願する。
あまりにも健気なその姿に、何とも言えない罪悪感と、それ以上の愛おしさが同時にこみ上げてくる。
ガジルは天井を仰いで深呼吸し、危うい所で理性を手放しそうになるのをこらえた。


「…分かった。ちっと我慢しな。」


そう言うと、ガジルはレビィの中を再び進み始める。
未だ誰も受け入れた事のないその場所は、メリメリと音をたてて裂けていくような抵抗感があった。


「くっ…!キツいな……。」


レビィにとっては、長い長い時間に感じられた。
歯を食いしばって耐えていた彼女の目から、こらえきれず涙がひとすじ零れ落ちる。


やがて、ガジルがフウッと大きな溜息を吐いた。どうやら、奥まで到達したらしい。

二人はそのまま、しばらくの間見つめ合っていた。
乱れた呼吸が、徐々に鎮まってゆく。


「悪かったな、しんどい思いさせてよ…まぁ、お前にしちゃ頑張ったじゃねーか。」


ガジルは、レビィの鼻の頭を指で軽くはじいた。
ホント、こんな時まで…可愛くない奴!
レビィは妙におかしくて、思わずフフッと笑った。


「少し、動かすぞ」


ガジルが、レビィの中をゆっくりと動き始める。
一度開通したせいか、さっきまでのような激しい痛みはもうない。
何より、愛しい人を受け入れる事ができた幸福感がレビィを満たしていた。


「ガジル、好きだよ…大好き。私、離れないから、ずっと、一緒にいてね…。」


ガジルの首にギュッと腕をからませ、何度も、何度も彼の名を呼ぶ。
ガジルは何も言わず、彼女を抱く腕に少し力を込めた。

一度だけ、少し掠れた低い声で、彼が自分の名を呼ぶのを、レビィは聞いた気がした。
でも、夢中でよく分からない。
ガジルがレビィの中で果てたその最後の時まで、彼女は彼の名を呼び続けた。
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