裏小説
□離れない
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目が覚めた時、レビィはガジルの大きな身体にすっぽりと包み込まれていた。
頭上から、起きたか、という低い声がする。
先に目を覚ましていたらしい。
ガジルは柄にもなく、レビィの頭をさっきまで撫で続けていた。
頭に、微かにその温もりが残っている。
シャワーを浴びに行くのか、ガジルはおもむろに上体を起こした。
下着だけを身に着けドアの方に歩きかけると、背中から「ねぇ」と呼び止める声がして、くるりと後ろへ向き直す。
「さっきは、その…ガジルは、ちゃんと気持ちよかった?私、ちゃんとできたのかな…?」
「……まぁ、悪くはねぇ。これで次から手加減なしだ。そのうち…」
ガジルは少し間を置き、一瞬斜め上に視線を向けると、
「お前には、俺のガキ産ませるからな」
ふんぞり返って言い放った。
「な、な、な…っ!!!」
あまりに唐突で身も蓋もない発言に、首筋まで真っ赤になって言葉を失うレビィ。
何だよ嫌なのかと、元々険しい顔をさらにしかめてガジルは問いかける。
「嫌なわけないじゃんっ!!もう……バカぁ!!!」
思いきり投げつけられた枕は、その割にパスッと情けない音をたててガジルの肩に命中する。
彼は特に避ける素振りも見せず、ギヒッと意地悪く笑うと、部屋を出て行った。
東の空が、少しずつ白み始めていた。
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