裏小説

□忘れられない誕生日
2ページ/3ページ

レビィが18歳を迎えたその日の午後、2人はとある観光地に降り立った。
観光客もまばらな静かで古い街並みを眺めながら、目的の場所へと向かう。

「わぁ……素敵…!!」

そこは、以前本で読んでから、レビィがずっと訪れてみたいと思っていた古代遺跡だった。
澄んだ静謐な空気の中、レビィは深呼吸して、ゆっくりと遺跡の中を見て回った。
その後を、2〜3歩遅れてついて行くガジル。
本で見た場所が現れるたび、レビィは身振り手振りを交え、嬉しそうに彼に解説をしてくれた。

(こんなもんが、そんなに楽しいのかねぇ…)

彼はその内容にはさほど興味がなかったが、彼女のキラキラした瞳と笑顔に思わず目を細めた。


一通り観光や買物を(主にレビィが)楽しんだ後、2人は予約してあったホテルへ到着した。
かなり前からこの地で営業しているようで、古い建物ではあったが、街の景観を損なわない落ち着いた重厚な造りであった。

サラサラと宿帳に名前を書き込むガジルの手元を見て、レビィは驚いて彼の顔を覗き込む。

『Gajeel/Levy Redfox』

「……………!!!」

夫婦という事にしていた方が、面倒が無いとでも思ったのか。
いつもと変わらない彼の表情からその真意は測りかねたが、レビィは嬉しさと恥ずかしさで危うく叫び声を上げそうになった。




食事と入浴を済ませ、ベッドに座って他愛無い会話を楽しんでいた時。
ガジルは不意に真剣な表情を見せると、レビィの細い肩を力強く掴み、己が懐へ抱き寄せた。
ゆっくりと深く口付けながら、器用に彼女の衣服を脱がせ、一枚ずつ床に投げ捨てていく。
誰にも見せた事のない、陶器のように滑らかで白い肌が露わになるにつれ、レビィの身体が羞恥で強張っていった。
そのまま上に圧し掛かられ、ベッドに横たえられると、彼女は緊張のあまり固く目を閉じた。

「念のために聞くが……。」

「な、な、なに??」

「お前、これからする事は一応わかってんだよな?」

「ば、バカにしないで!私だって、それくらい……。」

「だったら、コレ。何とかしてくんねぇか??」

ガジルは、他者の侵入を頑なに拒むように固く閉じられたレビィの脚を、指で軽くつついた。

「あははは、そう…そうよね!!ごめんなさい;」

小刻みに震えながら、ゆっくりと脚を開いてゆく。
そこに彼の視線を感じるにつれ、彼女は羞恥に耐えられなくなった。

「や…っ、ガジル…私やっぱり……恥ずかしいよ///」

「いや、さすがに……もう遅えな;」

ガジルは苦笑したが、何を思ったかレビィの身体をベッドから起こし、今一度腕の中に震える彼女を収めた。

「えっ?ど、どうしたの……??」

「お前はまず、こっからだな。」

そう言うと、レビィの額にそっと口付けて離れ、彼女の柔らかい髪を指で優しく梳いた。

額に一つ、頬に一つ、耳朶に一つ、鼻の頭に一つ。
口付けを落としては離れ、その度に髪を撫でるように梳いてゆく。
我が子を愛でるようなその優しい動作に、レビィの強張った身体が徐々に安心感に包まれていった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ