「・・・・由紀」




大好きな由紀の背中に私はしがみ付く。


白衣を着てない由紀からは薬品の匂いがしなく、仄かに香るコロンが鼻孔をくすぐる。


静かに目を閉じると背中越しに由紀の温かさを感じた。








-精神安定剤タイプH-









「どうした?今日はやけに甘えんぼだな」




少し呆れ気味だけどその声の中には確かな優しさがあった。


「たまには私だって甘えたい時もあります」


そう言いながら由紀の正面に回した腕にギュッと力を込めた。





「そっか〜、だが俺の後ろにお前が居るんじゃ俺はお前を抱きしめる事も出来ないしお前にキスしてやることも出来ないな」





由紀の言葉に私の体はピクリと反応する。



「・・・・キス、してくれるの?」



「ご希望とあらばな?お姫様」



由紀の答えに力を込めていた腕を解くと今度は一転由紀に抱きしめられる形になる。


由紀の手が私の頭を撫で、それから頬を通ると顎をクイッと上に持ち上げた。







「・・んっ」




そっと触れるだけのキスを一つされると私は余りの物足りなさに思わず由紀の首に両腕を回した。



「もっと、いっぱいキスちょうだい?」



いつもなら絶対に言わないお願いを由紀の耳元で小さくお願いしてみる。




由紀はちょっと驚いた表情をしたけれど直ぐに私のお願いを叶えてくれた。




貴方と一緒だと凄く落ち着くの。




だから、ずっと一緒にいようね?由紀。











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いつも有難うございます。
これからも精一杯頑張ります。

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麻霧






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