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□もしもし、あのね。
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ハロー、ハロー?
あたしはイヤな女です。



もしもし?長太郎。今何してるのよ。
…課題?マジメねー。そんなもの、やらなくたって大したことないじゃない。
あのさ、話聞いて欲しいの。でも最初に言っておくわ。
私は今からアンタの大事なオトモダチの悪口を言うから。
聞きたくなかったら、3つ数える間に電話切りなさいよ。
いくわよ。いーち、にー、さーん……。
…何で切らないの。話したいんだろ…って。私、イヤな女になるよ。いいの?
あっそう。それなら最後まで聞きなさいよ。
私ね、長太郎のトモダチの天城サンがキライよ。あ、里中も。アレのことまだ納得いってないんだから!ちょ、笑うな。
でね、何で天城サンがキライかってゆーとね、愛されて当然ですみたいなカオしてるから。
何で男子はあーゆーのがいいんだろう。「天城越え」とか古くさいよね、今時さ!
家は地域の誇りの老舗旅館だし?ウチのパパなんか目の敵にされてんだからね。
男の子なんか興味ありませーん、みたいな顔してさ、いっつも長太郎や花村達とベタベタしてるし。
挙げ句の果てに里中なんか、王子サマ気取りだしね。宝塚かっつーの!
私、何の苦労もしないで愛される子ってキライよ。私の気持ちなんかどーせ解りっこないでしょ。…解ってほしいなんか思わないけど。
でも、でもね。悔しいの。どうしてなんだろうね。長太郎、聞いて。
天城サン最近、さ…すごく、んー上手く言えないけど。あー!!悔しいけど、すっごいキレイなの!
女の私から見ても、キレイで羨ましいの!…そこで黙るな!感じ悪いなー。
お詫びに大学芋作ってきなさいよ。絶対!
で、ね。前からおキレイな顔してたけど。日本人形みたいな?でも今は違うのよね。
人形じゃないのよね。…空気が。もう、全然前とは違う!
悔しいくらい、キレイ。あんなキレイな子、私知らないよ…。
長太郎、天城サン、キレイだよね。ねぇ、長太郎。

―あんなふうに、強くてキレイになりたい。

はい、話はおしまい!また明日ね。バイバイ、オヤスミ!



こんな私でも、長太郎。
強くなってみせるから、ね。
やっぱりお姫様にはかなわないのかなぁ。
あー、やめやめ!さっさとパックしてストレッチして、ネイルして寝よう。
キレイになるのは楽じゃないわ!


.


あいちゃん可愛い。

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