P4

□徒花ワルツ
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咲かない花も、愛して頂戴!




凄まじい紅蓮の焔が目の前で炸裂する。そして殆ど同時に、爆風で後方に吹き飛ばされた。
「ぐ、ぁ!」
必死に受け身を取るが、成す術も無く、壁に叩き付けられた。頭を打ったのか、視界がちかちかと明滅し、鈍い痛みに支配される。
どうにか体勢を立て直そうと俺は藻掻くが、体が全く動かず徒労に終わってしまう。そうこうしている内に、こつりと床を踏み鳴らして、硝煙の向こうから美しい少女が現れた。
「私の勝ちね、花村君」
天城が嬉しそうに笑みを浮かべ、優雅に振り翳した扇で、手にした苦無を叩き落とす。そのまま喉元へ扇を突き付けられれば、俺の負けは確定した。
「参りました」
苦い表情のまま、諸手を挙げて告げる。頭を打ったダメージが思いの外大きいのか、先程から何度も視界が暗転しそうになった。何かを言おうにも、全身が痛み、嘔吐感が込み上げて来るのを堪えるだけで精一杯だ。
「も…限、界」
意識がブラックアウトするなに逆らわず、ずるりと床の上へ倒れる。火照った体に、硬質な床の冷たさが心地好かった。
「…負けた方が、勝った方の言うことを何でも聞くんだよ」
完全に意識が閉じる直前に、囁かれた言葉。その本当の意味を、まだ俺は知らなかった。



*



P4U設定。まだ書きかけなので、追加するかも。

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