□何時までも共に
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鈍い色をした空を見上げれば雪がちらついている。

吐息は白くなり消えていく。

「白哉!!」

縁側に立ち一人感傷に浸る白哉に奏が抱きついた。

「奏か。」

「誕生日おめでとう」

今日は白哉の誕生日。

いつもなら誕生日は来客が多いので職務を入れるのだが今年は非番をとった。

「ありがとう。」

まだ朝だ。

寒さが一層体に凍みた。

「あの…さ」

「何だ?」

奏が白哉の正面に回る。

「プレゼト…考えたんだけど思いつかなくてさ…」

「それならそれでよい。」

「一生傍に居させてください!!」

恥ずかしそうに白哉を見つめた。

「…!!!!」

「悩んだんだけどさ…これ位しか出来ないから…」

驚いたでしょ?と奏は笑う。

「良いのか、私などに一生を捧げて?」

「いいよ。白哉だもん」

白哉は奏を抱き寄せた。

「先を越されたな。」

「何が?」

「本当は私が云うつもりだったのに、だ。」

「こんな誕生日はやだ?」

白哉を見上げ、問う。

「そんなことは無い、最高の誕生日だ。」

「ならよかった。」

満足げに笑う奏へキスを落とす。

そして…

「私の我侭なのだが…」

「何?」

「何時までも共に居てくれ。」

「当たり前じゃん。」

もう1度思いっきり抱きしめた。

「その言葉忘れるなよ。」

「勿論。誓います。」

お互いどちらともなくキスをしようとした時…。

玄関のチャイムが鳴った。

「今日は忙しくなりそうだ。」

「だね。」

顔を見合わせ微笑みあうと2人は手を繋いで来客を迎えるために玄関へ向かった。

                完
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