**Hide and Seek** sungyeol

□知り合い?
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見るとさっきまでとはうってかわって真剣な、いや、戸惑ったように眉間にシワをよせた男の子がそう言った。


「え?私以前どこかでお会いしたこととかありました…け?」

あれ、会ったことあるのかな?全然思い出せない。
いやまあ確かに記憶力のなさには結構自信があったりするんだけど…。
過去の記憶を必死で辿ってみた…うううーん?


「え、あ、ない!ないですよね!いや知らないならいいんです。ぜんぜんっ!うん。」

男の子はそんな私の様子を見て慌ててそう言った。

なに?

よくわからないけどほっとした様子でうんうん頷いている男の子。

まあいいか。

メモも見つかったし。
ソヨンちゃんにもあったよーって




…待った



いま何時…?




バッ

腕時計を見る

デジタルの数字が示している時間は"20:42"
急いで携帯を見ると"着信あり"の表示。

やばい

休憩は1時間。
お店を出たのが19時半ちょうどくらいだった。

過ぎてる。
しかもとっくに。


まずい!本気でまずい。


「ごめんなさい!私急いで行かないとっ!!じゃあ…えっと気をつけて!」

私はサンドイッチやらコーヒーのゴミを手早くまとめながら男の子にそう言い、その場から立ち去ろうとした。

「え、え!?あ待って僕も行かなきゃだから!一緒に!…あれ、ない。メガネ…ない!!」

「えぇ?ちょ、もう行きますよ?」

「待って待ってわあああどうしようまたバレちゃう。」

アタフタと涙目で慌てる男の子。変装用?のメガネがなくなったんだとかなんだとか…



はあもーう!なんなのよ…




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