**Hide and Seek** sungyeol

□ストーカーさん
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そのままソヨンちゃんと他愛のない会話をしながら歩いていると、彼女の住んでいるマンションが見えて来た。

「じゃあ、また明日ね。」
「うんっ。バイトがんばって♪」
「ありがとー。じゃね。」

「あ!待った名無しさんちゃん!」
「ん?」
「また…来てたよ。あのひと。」
「あのひと?」
「前に言ったじゃん!ストーカーだよ。」

そういえばすこし前にソヨンちゃんに言われたことがあった。お店の外から店内をチラチラ見るだけ見て帰るっていう明らかに怪しい人がいるって。

「あーなんだ。でも最近こなくなってたって言ってなかった?ソヨンちゃんの勘違いだって。あたし一回も見たことないもん。」
「それがまたきてたの!うまく隠れてるんだよ。しかも今日ひとりじゃなかった…。それと確信したことがあるの。あの人ぜったい名無しさんちゃんを見に来てるよ。」
「ええぇー?!それこそ勘違い…」
「勘違いじゃない!あの人きまって名無しさんちゃんが入ってる日にくるの。しかも夜ね。
今日は遅刻だったからいなかったじゃない?しばらくこっち見てたけど諦めて帰ったかんじだったもん。」
「うっそだあ。」
「嘘じゃないよ!気をつけた方がいいよ。何かあったらすぐ連絡してね?」
「大げさだなー。だいじょぶだよ。あ、時間やばい!じゃあまた明日ね!ばいばいっ」
「ねえ!ほんと気をつけてね?!お願いだから。」
「はーい。」

私は返事をしながらソヨンちゃんに軽く手を振り、そのまま歩き出した。


ストーカーさんねー…

私の?いやいやありえないでしょそんな物好き。
第一本当にそんな人一度も見たことがなかった。
視線を感じたことだってない。

やっぱりソヨンちゃんの勘違いよ。

"ぜったい名無しさんちゃんを見に来てるよ!"

…いやいやないないない。
しかも一人じゃなかったってどういうことよ。影分身?

忍者?!

ますますないないない。

だんだん考えがおかしな方向に向かい始めてしまった
もう忍者について考えるのはやめて、私は足を速めた。





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