**Hide and Seek** sungyeol
□ストーカーさん
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*You side
「じゃあ、お先に失礼します。」
「はーい、お疲れさま。」
「おつかれー。名無しさんさんまた明日ねっ。」
「はいっ。お疲れさまでしたー。」
お店の閉め作業と掃除をすませ、雑談中の店長とスタッフに挨拶をしてから店を出る。
「どーんっ!」
「ぅわっ!!なに?!」
お店から一歩外に出た瞬間背中にものすごい衝撃をうけた。
びっくりして振り替えると…
そこにはいたずらっぽい笑顔をうかべた女の子が。
「ちょー、ソヨンちゃん。普通に登場してよー!」
「へっへへ油断してるのが悪いのよっ。一緒にかえろ♪」
「え、もしかして待っててくれたの?」
「まーねー。一人じゃ心細いかと思って。」
「ソヨンさまぁーっ!」
「はいはいわかったから行くよー。」
ソヨンちゃんはなんだかんだ言っていつも優しい。
「名無しさんちゃん今日は…あっち?」
「うん。」
「やった!じゃ、あたしんちのほう通っていけるね。」
「そだね♪」
「それにしても大変だね。しんどくない?」
「んー、お客はほとんど常連さんばっかりだし全然忙しくないから案外平気だよ。」
「そっかー。」
そう、私はこのセレクトショップ以外にもうひとつ、週に2、3回くらいのペースで別のアルバイトをしている。
初めて韓国に来た頃からずっと町外れの小さなバーで働いているのだ。
バーのマスターは身寄りのない私を日本人であるにもかかわらず、快く家に招き入れ、本当によくしてくれた。
彼がいなければ今頃私はどこかでのたれ死んでいたかもしれない。
マスターの家を出てからもお手伝いを続けているのはせめてもの恩返しだ。
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