One

□少しだけ
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別に嫌いになったわけじゃないんだ

別れたいわけでもない



ただ少しだけ、ほんの少しだけ

君から離れるよ





簡単に荷物をまとめて
部屋を出ていこうとする俺を
じあの悲しい顔が見つめる
泣くのをこらえて。下唇噛んで。
寂しがり屋の癖に
強がるところは変わってない



俺がじあを守んなきゃいけないけどごめん、今は無理なんだ。


行かなきゃじあを傷付けちゃうから
頼むから止めないでくれ。








「ドゥジュン、」

弱々しい声で静かに
玄関に向かう俺を呼ぶ


「待って、ドゥジュン」

わざと冷たいふりをする

ここで振り返ったら
せっかくの決心が揺らぎそうだから。




「行かないでっ、」

『…っ!』





ごめんね、じあ。
とうとう君を泣かせてしまった。

じあの泣き顔は一番嫌いなのに。
本当にごめんね…



俺はすぐ帰ってくるから
いつかきっとじあの涙を止めに
絶対帰ってくるから。




だから、



Don't look by watery eyes.
(涙目で俺を見つめないで)


(俺だって)
(同じくらい、辛いんだ)


End
 

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