『恋愛マニュアル。』
□年下・理系・やや奥手
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千葉県は横浜と比べて時給が安い。
その中で何とか見つけた時給900円。
バイトを始めて早くも2年が過ぎようとしていた。
…なんか、良い事ないかなぁ。
バイト自体は楽しい。
社員、アルバイト関係なく、皆仲が良い。
1部裏で何かしら言われている人もいるけど、私には関係ない。
「あ゛ぁ゛ぁ゛ーっ!」
「?」
数少ない年上のアルバイト、椿和哉。
彼は面倒臭いと、1部で言われている。
「椿さんどうしたんですか?」
私としては仲良し。
食べ物の好みが合うから、飲みに行くときオーダーを全て任せられる。
まぁ、お酒弱くて同じこと何度も言うけど。
「またあのオッサンっ。」
「あは。まぁー落ち着いて。血圧上がりますよ。」
「……」
近くには新人アルバイトもいる。
椿さんのコケンに関わるのでは。
「だってさぁ、俺が何度も言ってんのに違う奴に聞き返してっ!」
「ああ。まぁ、竹田さんですから。」
「オーダー通さなきゃ客待ってるっつーのっ。」
「確かに。」
うぅーん。こりゃ1部に前もって言っておくかな。
椿さんはイライラしやすい。
感情的な人は好きだけど、周りがとばっちりを喰らうこともある。