裏
□オニサンコチラ テノナルホウヘ
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「はぁ…はぁ…はぁ…っ」
俺はスペースコロニー・アークの廊下を走っていた。
否、逃走していた。それも全速力で。
音速の俺でも息が切れるくらいに死ぬかと思うくらいの速さで。
あの血のような綺麗な色をした瞳から。
俺はあいつによってアークへ連れてこられた。
理由もなく。
俺は必死に反論したが、あいつは何も聞いてはくれずに俺をアークの中に閉じ込めた。
そしてあいつは俺に宣言をした。
「君は一生僕の性奴隷だ。」
…と。だが、俺はシャドウの元から隙を盗んで逃げ出した。
一生性奴隷なんて御免だ!
…そして冒頭に戻る。
今現在、俺とシャドウしかいないアークはしんとしている。けれど今はそんなことを考える余裕はない。
カオスエメラルドが無いからカオスコントロールが出来ない。加えて脱出ルートは全て塞がれている。
今はとにかく逃げる。俺にはその逃げ道しかなかった。
「っ……はぁ……はぁ………」
もう30分が経過しただろうか。
アークは宇宙にある衛星だからはっきりとした時間がわからない。それに廊下に時計など無い。
今頃シャドウも俺がいなくなったことに気付いたかもしれない。
けれど俺は戻りたくない。音速を失わせるあの地獄から。
必ず出口はある。
俺はそれを信じて出口を求めてひたすらアークを彷徨う。
それは限りない鬼ごっこ
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