□欲しいもの
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今日も海は快晴。
ソニックは小舟を舵を漕いで海を渡る。



「今日も天気がいいな。日に焼けそうだぜ。」



平和だな、と思いながら舵を取っていた時、



「……ん?」



前方に何かが見える。望遠鏡で覗き込めば一隻ながらも大きい船。



「海賊船のようだな。」



しかし、掲げている旗は四つあってそれぞれ違うけれど、一緒に行動をしているらしい。海賊同盟ってやつか?



「まあそんなことどうでもいい。あの船でひとっ走りでもしてくるか!」



ソニックは屈伸をしたり準備運動を始めた。
前方には大きな一隻の船。

今回も勝てる自信がある。

という大きな自信を持って宣戦布告に大砲を一発贈呈して、船に乗り込んだ。


しかし、敵の船に乗り込んだのはいいが…



「…乗り込んだ船を間違えたっ!!」



相手が自分たちと同じくらい強すぎだったようだ。

超能力を使うサイキッカーのシルバー。
闇を纏った悪魔と言われるメフィレス。
海賊の中では悪名高きスカージ。
そしてソニックと同じくらいスピードが速い奴。



「……げっ!?シャドウ!!?」



シャドウ。ソニックの速さに劣らない好敵手である。
皆それぞれソニックと同じくらいの強さで、同じくらいの懸賞金であった。



「久しぶりだな。音速のソニック。」



シャドウがこちらに向いた。その後ろにはシルバー、スカージにメフィレスの姿。
ちなみにソニックの手配書で通っている名前は"音速のソニック"
シャドウ以外は手配書でしか顔は見たことなかったが、彼らの強さがビリビリと肌に伝わってくる。



これはヤバい。
と、目の前の四人と戦うよりも逃げた方がいいと第六感である勘が危険信号を発する。

とりあえずあの作戦でいこう。



「乗る船を間違えたからじゃあな!See you again!」



逃げるが勝ち。
さっさとずらかるぜ!



そう思ってソニックはさっさと自分の船に戻ろうと踵を返した。

だが、そう簡単にはいかなかった。



「……なっ!!?足が…!」



足が全く動かない。まるで真っ黒い泥のようなものが足を固定している。



「君がソニックでなくてもここに乗り込んできた以上、ここからは逃げられないよ。」



メフィレスは紙のようなものをペラペラとこちらに向けた。



「……!」



「まあ君がソニックだってことは初めからわかっていたけれどね。」



メフィレスが持っている紙は紛れもなくソニックの手配書であった。



「この船に乗り込んだ時点で君の負けだよ。」



とメフィレスは右手の人差し指で、おいでというようにクイッと動かした。



「…What!!?」



突如、封じられていた真っ黒い泥のようなものがメフィレスに向かって動き始めたではないか!
しかもそれは泥ではなくメフィレスから伸びている触手のようなものであった。


ソニックは咄嗟に腰につけていたダガーで絡み付く触手を断ち切って触手から脱した。



「そう簡単には捕まらないってことだね。」



にっこりと笑うメフィレス。何やら不気味だった。



「…隙がありすぎだっ」



ソニックはメフィレスに向かってダガーでなく腰に携えていた剣を振りかざした。



ガキィン!!



しかしそれはスカージによって阻まれてしまう。スカージはダガーでソニックの攻撃を受け止めた。



「俺らに宣戦布告をしてきたんだから楽しませろよ?」



こうして船の上での戦いが始まった。





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シルバーが一言も喋ってないという事実が発覚(笑)←
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