裏
□聖夜の戯れ
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今日は待ちに待ったクリスマス。
「Hey シャドウ!今日は何の日か知ってるか?」
シャドウ家にいきなり押しかけてきたソニック。
「キリストの誕生日だろう?」
シャドウは考える暇もなく即答した。
「Oh そう来たか…。確かにそれもあるが今日はクリスマスだぜ?」
「知っている。」
「反応薄っ。…ってか、クリスマスなんだから、どこかへ出かけたり何かしてほしい事とかないか?」
「無い。」
「……………………」
しょぼーん。
そんな効果音が聞こえ、ソニックはうなだれた。
「冗談だ。」
そう言えばソニックは顔をぷくーっと膨らませる。そんなソニックにくつくつと笑ってしまった。可愛い、と内心思いながらシャドウはソニックの為に冷蔵庫の中から炭酸のジュースを取り出す。
普段、シャドウは炭酸のジュースは飲まない。だがソニックがよく遊びに来てはそれを飲んでいるのでソニックの為に置いているのである。
「無い。…だが、してほしいことなら無いわけではない。」
その言葉にソニックは思わず目を爛々と輝かせた。
「ホントか!?」
「ああ。僕の側にいることと、僕の願いを聞いてくれること。それだけで十分幸せだ。」
嫌味がない、月のようなクールな笑顔で言われて思わず嬉しくなった。だから、ソニックは頬を紅く染めてYESと答えた。
これから聖なる事とは相容れない戯れが始まるのだということを知らずに。
黒きハリネズミはこっそりと口角を上げた。
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