□春、舞う日は
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(シャドウとソニックがシャドウ宅にてお花見中)




ひらひら、ふわり。
ピンク色の花びらが舞う。
隣に居る彼は、ただ桜を見つめていた。
僕は、静かに読書をしていた。



「まさか、シャドウの家からcherry blossomがみえるとはな。」



ソニックがシャドウの方に向いて言う。



「…たまたまだ。」



そう、たまたまだ。いつからそこに生えてきたのかは知らないがいつの間にかその木はそこにあった。



「冷てぇーの…本なんか読んでないで外を見ろよ!!」



ぶすくれる彼はまるで、無邪気な子供の様で。
渋々ながら、僕は本に栞を挟んで本を閉じて僕と彼はその桜の木がある庭へ向かった。



「な?近くで見た方がスゲーきれいだろ?」



「…あぁ」



「………」



桜の桃色を背景に青い彼が綺麗に見える。
ひらり、と彼の頭に花びらが乗る。



「ソニック、花びらが付いているぞ?」



「あ…気付かなかったぜ。Thanksシャドウ。」



ふんわり、と彼が微笑む。
桜がふんわりと舞う桜吹雪。辺り一面ピンク色。



【うわぁ…桜だらけだぜ!】


【ソニック…】


【どうした…シャドウ?】



ぐいっと彼を引き寄せ、僕の額と彼の額をくっつける。
彼は驚いた表情で、でもすぐに笑った。



【君が桜より綺麗すぎて、狂いそうだ。】


【阿呆か、酔ったのか?】


【桜のせいにしておけ】


【はー?】



最終的には互いに笑い出した。こんなたわいない、会話が愛おしい。



「今度、シルバーとメフィレスを呼ぼうぜ。」



ソニックのその言葉に僕も頷く。



「賑やかになりそうだな…フフ。」



ギュウッと互いの手を握って、笑った。

ひらひら、ひらり。
桜の花びらが、また舞った。





おわり。




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