表
□メーデー
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(シャドウ視点)
今は5月の初旬。
ゴールデンウィークである。
本来ならばGANはゴールデンウィークでも仕事はある。
だが生憎、今日の僕は仕事がない。休みなのだ。
何でも今日は労働者の祭典の日らしい。普段よく働くエージェントに日頃の感謝として本日はゆっくり休め、と司令官に言われたのである。
だから僕はこうして我が家でくつろいでいるわけなのだが。
「…………………。」
何しろ暇だ。逆に何をしてよいか困る。
本を読む気にもなれないし、
寝ようとすれば時間がもったいないと思ってしまう。
だからといって何かをすると思っても何をすればよいか思い浮かばない。
とりあえず今は本を読んでいるが、内容は読んでいない。ただ開いているだけ。
「…どうしたものか。」
いつもは、時間との勝負で血腥い(血生臭い)戦場を駆け巡ってきた。
だからなのかもしれないが、このような静かな空間にいるとどうも落ち着かない。
「さて、どうしたものか。」
僕は再度同じ言葉を紡ぐ。
…青い彼は元気だろうか。
最近任務が多くて君とロクに会っていない。
君には申し訳ないと思っているが仕事故、仕方がない。
君を思い出し、君の姿を、声を想像すると君が恋しくてたまらなくなる。
「…なら、」
今日ばかりは君に付き合ってあげようではないか。
僕は開いていた本を閉ざし、家から出て彼のいるであろうその場所へと向かった。
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