□花火と夏の迷子
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今年は、年に一度の花火大会。
ぼ食は賑やかな事が大好きな彼と共に手を引かれながら、屋台へ。
でも、蒼い彼が・・・









「シャードーウっ!!わりぃ…待たせたか?」



ソニックがこちらにやってきた。



「いや、僕も今来たばかりだ。」



「それなら…良かったぜ…あー、浴衣は走りずれぇな。」



そう、僕とソニックはこの花火大会の為だけに浴衣で来ているのだ。
まぁ…彼が言い出した事だが。

彼は、水色に濃い青の線が入った浴衣姿で、僕はグレーに小さな白い水玉模様が入った浴衣姿。



「シャドウ、まだ花火が上がるまで時間があるし屋台を見て回らないか?」



「別に構わないが…。で、お金は誰が?」



「全額シャドウ持ちd…ぐへっ!!」



「割り勘だ!このニート針鼠がっ!」



盛大に彼を平手打ちした。
彼は、綺麗に吹っ飛び、その場に落ちた。



「うう、シャドウ…ニートは酷くないか?痛ぇ…」



「とにかく行くぞ。」



蒼い彼を無視して僕は歩き出す。
後ろで頬を摩りながら「シカトかよー。」とか、色々言っているが何気に彼は僕の手を握っているので「可愛いな」と内心に留めておいた。



屋台の通りは人で溢れ、賑やかに客寄せの声が響き、浴衣姿の人々が笑いながら通り過ぎる。
僕とソニックは手を握って、屋台の通りを歩く。



「シャドウ、かき氷イチゴ味とか…」



「君こそ、何だその真っ青なかき氷は?」



こんなに会話が、楽しくて
浴衣姿の君が可愛くて
幸せに感じた



「なぁシャドウ、次は射的に行こうぜ!!」



「そうだな、今行く…ソ、ソニック?」



先に行ってしまったのか、彼の姿がいない。



全く、急がしい奴め…
探すと厄介だな…
ましてや、こんな人混みの中。
僕は、一つため息を吐いて人混みに入った。



「ふぅ…さすが花火大会と同時進行のfestivalだな。人混みが半端なかったぜ…さて、シャドウ!!射的…あ。」



今更、シャドウを置いていったのを思い出した。
またこの人混みを歩くとなると疲れる…だけど、



「俺が置いていったんだから、責任は俺だよな。」



履き慣れない下駄を鳴らしながら、俺は人混みの中を駆けた。





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